十年目の誓い
2016年 09月 01日
今日から9月ですね。
私は先月で、弟子入りして丸9年となりました。
まだまだ…、正直まだまだ解らないおなかの中です。掴めたような気がした瞬間から逃しているのではないかと不安で、神の手にはほど遠い。
けれど、それでも自信を持って改善できると言える症例も少しずつ増えてきました。
肩こり、腰痛、膝痛、胃拡張、胃下垂…と重度になるとやはり山水コースで師匠の力が必要ですが、「豊穣コースでも大丈夫です。」と伝えられる人も増えてきました。
先日、一人の方がわごいちを去りました。その方とは4年のお付き合いになるでしょうか。
「胃下垂、下痢、痩せ体質をどうにかしたい」と言うことでしたが、その奥にある一番のお悩みは何より「子どもを授かりたい」でした。
その際にわごいちで取り組んでいく事は、“赤ちゃんが来たくなるようなおなかを作ること”です。
まず、何よりもお母さんになる人のおなか作り・体作りを最優先し、取り組みます。
その方は、不妊治療をしている中で初めてわごいちにいらっしゃいましたが、師匠との話し合う中で、不安な自分自身の気持ちを認識し、涙を流されました。一旦不妊治療をストップし、自身の元気なおなか作りに取り組む事を決心されました。
おなかが改善し、元気になっていく中で一度は妊娠されましたが、まだタマゴのうちに流産され、辛いであろうお気持ちを、「妊娠できるおなかになれたのだと思うと嬉しい」と力強くおっしゃいました。
いつもわごいちにいらっしゃるときは笑顔を見せ、その内側にある何かはっきりとしないモノを深めて、探るまで話し合うことが出来なかった。
涙を流されたのは初めての時と、「一度全てを仕切り直したい」とわごいちを去られる最後のご挨拶の時でした。
「タイミング療法で卵子をおなかに戻しましたが、結果はダメでした。」
一度は止めた不妊治療を自身の意志で再開されていたのです。
全てが終わった後に結果と、その治療の為にたくさんの色々な薬を飲んだ事を聞かされました。
もちゃーと浮腫み、粘りの強い腸、癒着を剥がそうとすると表面が硬く深く指が入らない。
とらえようがなかった、この時のおなか。
でも、以前にもそんな手触りがあったように思う。
その時に、お話を聞き出すことが出来なかった自分の不甲斐なさと傲慢さを、今さら悔いても遅い。
きっとチャンスはあったのに見逃した。
“時は待ってくれない”のです。
その不安を抱えながら、日々を暮らしている人はこの女性だけじゃないだろうと思います。
私はまだ妊娠経験がありません。
もちろん出産経験もありえません。
神の手でもないし、命の管理なんて出来ない。
私たちは結果を出さなければ、やはり何も残せません。
何の力にもなれなかった事と同じです。
いつも、どこか力が入っていたおなか。これを溶かすことが出来なかった。硬く固めたおなかに、何を本気で悩み、深く考えていたのか今となっては何も解らない。
結果に結べなかった私が、残せたものは・・・
問い続けたいと思います。
私は本当に、今目の前にいる人の発するおなかの声を聞いているか。発する事を聞こうとしているか。
池田参尽
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by wago-ichi
| 2016-09-01 07:59
| わごいちのお客さま