常に備えを
2017年 07月 16日
「新しい風が常に通るよう準備を整えておく」
これは、私がわごいちで学んだ事です。
先日、新しいお茶碗を下ろしました。
5つ対で買ったお茶碗をある時、2つ割ってしまった私。
行きつけの骨董品屋さんで良さそうなお茶碗を見つけ、師匠が買い直してくれた新人です。
このお茶碗を下ろそうと思ったら、あららら場所が‥ない。
対が割れてしまった残り3つのお茶碗も品は良いものだし、毎日玄米をいただいて愛着を持っていたものだから処分しようかどうしようか‥と伝えると、師匠はこう言いました。
「その3つのお茶碗を残しておくために、他に処分できるものがないか、今一度改めて見たらどうかな。」と。
一つをきっかけに全体を見直す。起こった出来事をきっかけに、今一度見直し整理するその手間を師匠は何度でも取られます。
3つのお茶碗のスペースの為に、3つを処分するのでは変化はありません。その3つをきっかけに10個ぐらいは要らないものを捨てられるだろうと、そうするとまた新たな展開がやってくる隙間ができるだろうと、そういう訳です。
欲だけに捉われて、要るものも要らないものもごっちゃごちゃに囲い込んでも、本当に今やって来るべきものが来る隙間が無くなる。
わごいちに来るまでの私は、全てを取り込みたい、留めておきたい、と随分欲張りでした。
今でも傲慢になってしまうことは度々あり、完全には消せていないその自分が出ることもあるけれど、「自分を振り返れ!」と反芻を出来るようになりました。
新しく入れ換えたお茶碗を見る度、お茶碗を割った日のことやその時の自分の心持ちを思い出そう。
そして「愚かだったなぁ」と笑って、新しいものを迎える準備をしよう。
一つのきっかけから、新たに何かを生み出せるように。
池田参尽
by wago-ichi
| 2017-07-16 10:28
| わごいちの日常