一世一代の嘘
2017年 06月 04日
今日は父の誕生日。
紫陽花は父の大好きな花の一つ。紫陽花が咲く頃に父は生まれました。
申年の父は、生きていたら74歳。
今日は誕生日にちなみ、年齢にまつわる父のエピソードを。
以前、「父の大好物」の記事で書きましたが、私の父と母はトヨペットいう車の会社で出会いました。
父と母は年齢差が8歳。この時代にはなかなかの年の差婚。
父31歳、母23歳の時です。
2人が出会った当時、父が母をデートに誘うのですが、父は年齢を3歳偽り母とお近づきになったそうです。
私が知る限り、父は嘘が大嫌いです。子供の頃から兄も私も「嘘は付いたらあかん。」と何度も怒られてきました。
格好つける為に自分を偽ってなんてもっての他、その父がサバを読むなんて…よっぽど母に惚れてしまったんだと思います。
母はこう言いました。
「5歳以上離れてたら、もう価値観も全然違って大変やと思ってん。お父さんはギリギリ大丈夫と思ってお付き合い始めたのに…騙されたわー。」と、笑います。
…と、言う事はこの当時の父が年齢を偽らなければ、母は父を恋愛対象として見ることもなく、結婚話へももちろん進展せず、兄と私は生まれることもなく、甥っ子たちに命が繋がることもなかった‥と思うと・・・
お父さん!ファインプレー!!
そんなのすぐにバレるんじゃないかと母に聞き返すと、どうやら父の3歳下の妹の生年月日や干支を言っていたそうです。聞いたらすぐ答えるし嘘とは思わなかった、と。
その後デートを重ねる内、話してくれる話題はとっても面白いのだけれど、どうも世代のズレを感じる話題に母がおかしく思い、「実は…」と父は本当の歳を伝えたそうです。
けれど、その頃にはもう年齢など関係ない絆が生まれて(‥いたと信じたい)、父からのプロポーズを受けたそうです。
父のその嘘がなければ、無かった今。
いや‥本当は正直者の父は、騙すことに申し訳ない気持ちや、バレたらそこで縁が切れるかもしれない…と、内心とてもヒヤヒヤしていたと思います。
それでも必死に嘘を付いてでも、成就させたかった母との恋。
父の人生、一世一代の大勝負。
ここ一番の大逆転劇。
嘘が大嫌いな父が、ここだけはと付いた嘘は、運命を引き寄せ、母との歯車は回りはじめます。
この父母の恋愛エピソードを聞いて、「父、やるやん!!」と感動した私は、嘘を付いてでもどうしても手に入れたいと思うほどに私を愛していくれる人と結婚したいなぁー‥とか憧れてしまったもんだから、今だ婚期は訪れません。。。
そののち、父と母は無事ゴールイン。
結婚式は、大楠が見守る難波神社さんで挙げられました。
そう、わごいちの目の前の神社。
この世のご縁はどこでどう繋がるのか本当に解らないものです。
43年後に、この神社でこうして毎朝、手を合わせることになるなんて。
父、ハッピーバースデイ!!
父のように、面白くおかしくするユーモアを忘れず人を喜ばせ、自分の人生を“まっすぐに”進みたいです。
池田参尽
by wago-ichi
| 2017-06-04 13:54
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