赤ちゃんがやってきた
2017年 05月 10日
先日、久しぶりにわごいちへと、お顔を見せて下さった方がいました。
なぜ「お久しぶり」だったかと言うと、ご出産をなさったのです。
わごいちでは、おなかに赤ちゃんを授かった時点で施術を一旦ストップさせていただきます。
それには理由があって、妊娠してからのお母さんのおなかの中は、これから赤ちゃんが成長していく居場所として、母と子と2人で一緒に力を合わせて作っていくものと考えているからです。
その世界に私たちが介入することは控えたい、と師匠は言います。
けれど、出産を終えてからはなるべく早い段階で来院をお勧めしています。
出産直後は、それまで赤ちゃんがおなかの中で動きながらお母さんのおなかを揉んでくれているようなもので、出産を終えられたおなかはとても柔らかいです。その絶好のタイミングで施術をすると、お母さんのおなかも改善に向きやすいのです。
そして、冒頭の出産を無事に終えて、わごいちにいらした30代の女性。
そもそもわごいちに来院されたのは3年前。きっかけはご自身の体質改善と、その先には「授かり」を希望されておいででした。ただ20代の頃に卵巣のう腫と言われ手術をし、のう腫部分を切除されており、もう片方も卵巣のう腫の診断を受け経過観察中という状況でわごいちにいらっしゃいました。
だからこそ、自分の体と今一度向き合い体質改善を行いたい、という事でした。
来院された当初は、肩甲骨と肋骨がへばりついて肋骨がガチガチに固まっていて、ギュッ縮まっていました。
その肋骨の狭さに胃は下垂を起こし、腸を圧迫し、まだその更に下にある子宮・卵巣が押しつぶされている状態でした。
「この状態では赤ちゃんがやって来るスペースもないような状況ですから、しっかりと肋骨を広げて、胃を元の居場所に戻してあげることが大切です。」
赤ちゃんが来たくなるおなかを目指しましょう、と伝え体質改善が始まりました。
食事、運動、ハート呼吸、と紆余曲折しながら改善に取り組み、わごいちの施術と合わせて千照館にも入門され、稽古を通しておなかが元気になるように、これまでの体の使い方を変えていけるよう頑張っていました。
もちろん生活改善は簡単には行かないこともあり、3歩進んでは2歩下がることもありながら頑張りましたね。
そんな中、ご自身の仕事がどんどん忙しくなり、その仕事に振り回されて自分の体のことが後回しになったりしつつ、今優先すべきは何なのだろうと、ご自身のこれからをどうするべきかと悩んでいる最中に妊娠が解りました。
その女性はおっしゃいます。
「すぐには仕事を減らして欲しいという訳にも行かず、妊娠する前と変わらないハードさで動いていました。おなかもまだそんなに出ていなくて実感もない頃だったでしょうね。」
そんなある日、ビックリするほど生理のような出血をし、このままの仕事を続けていては、本当に守りたい赤ちゃんが守れない!!と仕事を辞める覚悟を決められたそうです。
「本当にこんなお母さんのおなかでごめんね。辛い思いさせてごめんねって思いました。自分の仕事に必死で、赤ちゃんの事を考えれてなかったことをとても後悔しました。」
と、そうなってようやく本当に自分がどうしたいのかが解ったとおっしゃっていました。
それから、"赤ちゃんが健やかに育つには自分はどうしたら良いか"ということを最優先して考えるようになったそうです。
この女性から、妊娠初期の頃のこんなお話を聞きました。真実は誰にも解らないことだけれど、私はこの方に起こった素晴らしい出来事だったと思い、そのお話を聞いていました。
この女性のおなかの中で、まだまだ赤ちゃんが卵の状態のときに検診で「双子の可能性がある」と言われたそうです。
ご自身でもそんな気がしていたある日、ご主人がふと「赤ちゃん双子の気がするんだよね。」と、言ったそうです。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「私もそう思っていたの!!こんな偶然あるのかな??!!」
と、夫婦で話していた後に、心音が確認できるくらい赤ちゃんが成長した時には双子では無かったそうです。
お医者様からも、たまにそう言ったことはあると言われたそうで、まだまだ卵の状態では赤ちゃんの入っている袋が2つに写って見えることもあるから、双子だったかどうかは何とも言えないと伝えられたそうです。
その女性は私に言いました。
「私のおなかのスペースがきっと狭かったんだと思います。もっとしっかり肋骨が広がっていて、ちゃんと2人育つ広さがあったら、きっともう1人の子も育つことができたはず。狭いからイヤでお空に帰っちゃたんじゃないかな。」
と。
そして、「本当は双子だったもう1人の子を産んであげたいから、ハート呼吸もちゃんと頑張ります。これぐらい良いよね、と食べていたパンもケーキもやっぱりダメだから、ちゃんと気を引き締め直して、改善に取り組みます。」と続けられました。
"赤ちゃんが双子だったのか・・・"
本当のことは誰にも解りません。
誰に確認することも出来ないし、時間を戻せるわけでもありません。けれど、その出来事がこの女性にとって、自分こ体を改めて考えることになる、とても大きなことでした。
話してくださるお顔は、母親の顔でした。
過去を悔いるばかりでなく、ちゃんと自分の身に起こったことを受け止め、その時の自分の事を反省し、そして‥
そこから見ていることは未来です。
今、こうして元気にいてくれる新しい命をしっかりと育てていく。
その先に、
「もしかしたら、そのもう1人の子も私が産んであげられるのかも知れないから。そうだったらいいなぁと思って、また、これから頑張ります。」
と、希望に満ちている笑顔を見せていただきました。
起こった出来事を力に変えていく、強さに変えていく‥
気のせいだったと思えることが、この女性にとってはこれからの自分を変える強さになりました。
そんな力をお持ちだったとは、以前は気付かなかった魅力です。
改めて、どうぞよろしくお願いいたします。
池田参尽
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by wago-ichi
| 2017-05-10 10:22
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