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オーダーメイドという贅沢


院長先生の遠縁の叔母にあたる方と、とても久しぶりにお会いする機会がありました。

院長先生とは20才ほど年は離れていますが、お二人とも「喧嘩友達」と称え合う仲です。


私の知る限りでは、うちの院長先生が喧嘩友達という人はこの方だけで、しかも「俺はあの人には勝てへん」と言われる方です。うちの院長先生を喧嘩友達という人もこの方だけです。

まぁ、すごいです。二人の会話(笑)



この叔母様、一ヶ月ほど前に転けて左手首を折られたとのことだったのですが、ギブス固定してる間は仕事が出来なくてもったいないから、全身麻酔して手術した...まではまぁ、まだ普通の話なんですが......



「左手首折ってもさ、そんなんじっとしてられへんやん。洋裁がリハビリだから病院2日で抜け出したのよ。手術して5日目には仕事始めてたかな。」


洋裁がリハビリ......さすが。。。



この方はオートクチュールを専門とする西田和美さん、大阪の十三という街で“デザインルーム和美“を営まれています。

デザインもする!
型紙も作る!
縫いもする!

全部を一人でしてしまうすごい人です。
(デザインする人、型紙作る人、縫う人はそれぞれで、大抵分担制だそうです)




それにしても、院長先生の喧嘩友達は骨折友達でもあったって訳ですね。左手首と左足首。


「私はひろくん(院長先生のことです)みたいにその場で直せへんかったから手術しなあかんかったけど、ギブス固定なんかしてたら仕事にならへんよね~、はっはっは!」

「なりませんね、はっはっは!!」



…ええ、なりませんとも・・・・・




参考までに↓




二人の話は続きます。


「生徒さんから『どうやったら先生みたいにデザインわいてくるんですか』って聞かれるんやけどさ、それが説明できたら苦労せんよね~。そこら辺、詳しいやろ。どうして教えてあげたらいいか、大先生、教えてよ!(笑)」

「俺が教えてほしいわ!(笑)」




何で閃くのが前提なんか私が教えてほしいわ!
......と心で猛烈に突っ込みながら二人の話を聞いている私でした(笑)





寝ても覚めても湧いてくるんですって。
参尽さんとの4人でお食事に行ったんですが、参尽さんに合うデザインと私に合うデザインでは、やっぱり全然違うデザインが湧いてくるんですって。

どんなのかすごく気になります。


そんな和美さんの最近の作品を少し。



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赤い生地は年下のお友達が持ち込まれたお着物だそうです。大事な大事なお友達だったそうですが、急に亡くなられたそうです。虫の知らせがあって、最後のお見送りはできたとおっしゃっていました。この時だけは、全然デザインが湧いてこなかったそうです。こんなのは初めてだったと話してくださいました。



「年なんて関係ないわね、先のことなんて分からないもん。今よ、今をどれだけ精一杯やるかよ。明日死んでもいいと思えるくらいやるだけよ。ずっとそうしてやってきたけど、今回のことで改めてそう思うわね~。」



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亡くなられたお友達の形見の赤い着物でデザインしたコートとワンピースとお帽子。東京で行われた全日本洋装技能コンクールに出品してみたら優勝。


「私が獲ってもね。生徒さんに獲らせてあげられるようにならないといけないのよ。」



そうはおっしゃるけれど、生徒さんは憧れてやまない先生の大きな賞の受賞は、自分の誉れであったろうと想像します。




「和美さん、僕にコート作ってよ。」

「ひろくんにコートか~、いいわよ、考えとくわね。」



西田和美さんのお仕事活動は、一点物のオーダーメイドと洋裁教室の運営になります。

洋裁教室は(水)(木)(土)やっておられるそうです。もちろん個人のオーダーも受けておられます。
本当に良心的なお値段です。


「作ったお洋服を気に入って、それを着て気持ちよく街を歩いてくれたらそれでいいの。それで『良いの着てるわねって誉めてもらった』って話を聞かせてくれたらそれが一番嬉しい。だから生徒さんの作るデザインもしてあげるのよ。......デザインが湧いてくる方法を教えてあげれたら一番なんだけどね。。。」




大事な大事な一枚を、いつか和美さんに作って頂きたいです。お洋服のこと、おしゃれのこと、なんだか雑にしてたような気がして少し恥ずかしくなりました。

内面が大事、なんてそんなの自分がちゃんとやれば良いだけのことで、大きな声で言うようなことじゃないもの。ハラが大事、そう言い続けるからこそ、和美さんのこのソウルを見習っておしゃれしたいと思いました。




「止まったら死ぬのよ、私(笑)。冒険が大好きみたいね。会った人はみんな友達なの。」



和美語録、恐るべし。
基本全部笑い飛ばしなところが余計に心に響きます。きっといつだって人と共にあるから。そんな気がしてなりませんでした。



人生を変えるきっかけをもらうような、生き様を後押しされるような、そんな刺激的なお洋服で街を歩きたいです。






井上紙鳶
 ↓
このブログのタイトルにもなってる「たいたいレシピ」への想いを綴っています。是非一度、読んでみてください。

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by wago-ichi | 2018-12-15 19:26 | 紙鳶のひとりごと

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